著:正田 智樹 出版社:学芸出版社
224ページ 148㎜×210㎜ ソフトカバー
かつて食の生産は人々の暮らしとともにありました。
専業農家だった私の祖父母の家も田畑に囲まれ、日々育っていく稲や野菜を目にすることができました。今、店で手にした食品からは食の背景を知ることはできません。
建築士である著者は、イタリアの豊かな食の背景には自然だけでなく建築がかかわっていることに気づきます。人々が試行錯誤を繰り返し、自然との関係の中でつくりだした知恵が建築という形で人々の暮らしを支えていたのです。
こうして、イタリアと日本の食の生産現場で調査が行われました。ワイン、レモン、塩、日本酒…。そうした食が作る建築と風景(フードスケープ)を写真や図で紹介します。
イタリアのフードスケープとして、カレマ村のワイン(表紙写真)、ヴェッサーリコ村の ニンニク、アマルフィのレモン他、日本のフードスケープとしては、四郷の串柿、豊島の天日塩、八女茶などが紹介されています。
藤原辰史さん(農業史・環境史)、塚本由晴(建築家)さんとの対談もお見逃しなく。